精巣腫瘍に関して気をつけること、思うこと

精巣腫瘍は20〜30代の男性に多く現れる病気だそうです。働き盛りの人がほとんどなので、仕事が休めないので無理をして…とか、場所が場所なので恥ずかしくて…などの理由で、泌尿器科に外来するのが遅くなりがちだそうです。実際私が診てもらったときも、先生に「これだけ早く病院に来れたのはよかった、もっと酷くなってからようやく受診する人が多い」と言っていました。テニスボール大になるまでほったらかし、なんて人もいるそうで…(どうしてもその様子が見たい人はYouTubeで「精巣腫瘍」と検索すれば見ることができますが相当ショッキングなのでおすすめしません)
あと、痛みがなく進行するのも発見が遅れる原因のようです。僕も痛みは全くなく、入院直前になってようやく、鈍い痛みまで行かない程度の違和感、異物感?を持った程度です。なので、ちょっとでも睾丸の肥大や硬化が感じられたら、恥ずかしがらずにまずは泌尿器科へ行ってください。僕の場合は総合内科クリニックだったので、初診のときに「念のため」ということで抗生剤や痛み止めをもらいましたが、実際の泌尿器科での受診ではエコー検査で一発だったので、始めから泌尿器科で見てもらえば一発で診断できると思います。まあ、町の泌尿器科で簡単にエコー検査ができるところがどれだけ多いかどうか知りませんが…ただ専門であれば診断も早い、かもしれません。
今やインターネットでほとんどの情報が手に入る時代です。僕も受診前にいろいろ調べました。若いうちに発生する癌だけれども、癌の中でも5年生存率が最も高いこと、転移があっても薬や放射線治療でほとんど治ること、などを事前に知っていたので、あっさり告知されても「がんです」「ガーン!!!」ということにはなりませんでした。もちろん、先の大震災をきっかけに、正しい情報をきちんと読み取ることが大切なのは言うまでもありませんし、入手した「フラットな」情報ソースに対して「どう思うか」は人それぞれになってしまいますが(せっかく信頼に足る情報を仕入れても「そんなのウソにちがいない!」とすぐ感情的になる人は非常にもったいないですね。そのストレスだけで十分寿命を縮めていると思います。お大事にどうぞ)、少なくとも私は、調べた結果に対してそれほど悲観的に思うことはありませんでした。この病気だからこそそういうことが言えるだけに過ぎないのかもしれませんが。治る可能性が高い、というだけでずいぶんと救われた気持ちになるものです。
あと精巣腫瘍で有名なのはランス・アームストロングですね。彼は精巣腫瘍で脳にも転移があったそうですが、手術後復帰してツール・ド・フランス7連覇という偉業を成し遂げています。こういう話はお涙ちょうだいじゃないけれども、単純に非常に勇気づけられる。日本でもいつぞやホワイトバンドとかが流行った時期がありましたが、偶然にも私はこのLIVE STRONGの黄色いバンドを購入しておりました。ずっとつけてて切れちゃったときの写真が残ってた。

livestrong.orgで直接購入が可能なので、世界のがん患者への気持ちを少しでも形にしたいという人は、ぜひ積極的に活用してみてはいかがでしょうか(残念ながら日本国内で彼らの活動を見かけることはあまりないようですが…国内のがん関連活動団体への寄付の方がリアルに結びついていいかもしれませんね)
LIVESTRONG.org

女性の皆様へ

ぜひ旦那さんや彼氏さんのタマを攻めてください。きっと喜びます。じゃなくて、大きさなどの異変に少しでも早く気付けるように、日ごろからの観察は大切です。そうでなくても、健康な睾丸は、実は常に動いているのです。湯船の中で手のひらでそっと触れると、ゆっくりぐるぐると動いているのがわかると思います。なんとも面白い生命の神秘なのでぜひ一度ご確認を。
パートナーがいない女性は…もしよろしければ私の左(ry
あと、男の子がいるご家庭ではご存じかもしれませんが、潜在精巣、または停留精巣と呼ばれる状態にも注意です。これは、生まれる前には体の内部に入り込んでいる精巣が、陰嚢に下がってくることがなく、体内に残ったままになってしまう状態のことで、精巣腫瘍になる可能性が若干高まるらしいです。というかそれ以前に、体内の熱で細胞がやられてしまい、生殖機能がなくなってしまう危険性もある(精巣が内臓なのに体外にぶら下がっているのは高温に弱いためです)ので、ちゃんとタマがふたつ陰嚢にあるか確認して、なければ専門医(泌尿器科?あるいは小児科でしょうか)に相談をするのがよいと思います。

参考

敵を知り己を知れば百戦危うからず。

http://cancerinfo.tri-kobe.org/pdq/summary/japanese.jsp?Pdq_ID=CDR0000257530
がん情報サイト|PDQ®日本語版(患者様向け)

http://ganjoho.jp/public/cancer/data/testis.html
精巣(睾丸)腫瘍:[がん情報サービス]

http://www.imic.or.jp/cancer/c2039.html
財団法人国際医学情報センター:がん Info / 精巣腫瘍