精巣腫瘍(がん)で入院しています 1.発見から入院まで

悪いことは続けてやってくるね、というお話。初体験だらけだったので、ライフログとして残しておきます。

(改めて私について言っておきますと、長いことうつで病院通いしながら仕事してましたが、今年1月に重くなり退職、以降自宅警備員をしながら、音楽ユニット「夕焼けランプ」でドラマーとして、レコーディングエンジニアとして活動しております。音楽活動ももう10年を超えました。)


レコーディングも一段落した4月の頭ころ、偶然お風呂で気づいたんだけど、右のきゃんたまがちょっと大きく堅くなってるのに気がつきまして。食べ物で例えるのは不適切かもしれませんが、枝豆とビワの種くらいの違い、かな。気になったのでネットでいろいろ調べてみたら、「悪性腫瘍」の文字ががが…。慌てて泌尿器科を探したけど、あいにくの土曜日、休診などで空いてなくて、仕方なく総合内科的なクリニックへ。触診もしたけど、そこでは詳しくわからないのでMRIを予約、翌日受診。
MRIでした。ピーガーとビープ音がうるさいのね。ヘッドホンをつけられたけれど、音が小さい上にめちゃくちゃきつくて頭痛がしたけど我慢。途中でうまく映らなかったとのことで造影剤を注射。これはまれにアレルギー反応があるらしく、同意書にサインが必要。友人が最近アナフィラキシーショックになったこともあり、めちゃくちゃ緊張しましたが、僕は今回は問題ありませんでした。
着替え等込みで1時間程度。
一週間後に結果がわかるのでもう一度クリニックへ、そこでは腫瘍の疑いが強いので大学病院へ行って詳しく診てもらってくださいとのこと。分からないのか、まあ専門ではないし仕方ないか。
大学病院の先生は第一声「キ○タマ腫れちゃったんだって?」えらくフランクだな、と思いながらも、エコー検査であっさり腫瘍と断定。ここの腫瘍はほとんどが悪性なので、手術で取ることになります、といわゆる告知もあっさり。
なんでも精巣の腫瘍は治療法がほぼ確立していて、癌というネーミングにはびっくりするけど、致死率も癌の中で最も低いそう。万が一転移していても、放射線治療抗がん剤でほとんどは完治するそうです。事前にそのような情報を(不確かながらも)得ていたので、告知されてもそれほど焦らず準備することができました。もちろん残ったもう片方は正常に機能するので、片方を摘出しても「子孫を増やす」という生命活動には支障ないわけで。有名人だと爆笑問題田中裕二なども摘出しましたね。ネタにしたくなる気持ちがよくわかります。
諸々の検査に丸二日かかり、大変な疲労とストレスでした。2時間待ちなんてザラで、当然携帯も使えないわけで、待ち時間が苦痛だった。本を持ってなかったのを後悔。ここでCTスキャンも初体験してるのですが、MRIとの違いがよく分かりません。似たような機械で、似たような手順。ただ造影剤がちょっと違って、全身の血管がカーッと熱くなるような、不思議な怖い感じ。事前に説明はあったけど、ぞわっとします。

入院の日程はかなり早めに組んでくれました。検査の翌週には手術&退院の予定。ここで無職なのはラッキーだったと思います。普通は仕事の合間に入院なんて、いろいろ気を使うでしょうから。
検査が終わって、入院までの週末を家で過ごすわけだけど、実はこれが一番辛かった。ただでさえ鬱々と不安定な日々なのに、別の病気、しかも癌だなんて、、悪い想像をいっぱいしてしまいます。もしもう片方にも転移してたら、「無職で種なし」だなんて、生物学的にも社会的にも生きている意味がないんじゃないだろうか、とか、効くとはいえ抗がん剤は副作用とかきつそうだな、耐えられるかな、とか、あることないこと(主にないこと)を考える。他の人には「そんなに心配ないよ」っていって回ってるのに、いざとなりゃ独りでぐるぐる悩んで、なんともなさけないな。など、不安や心配は尽きることなく…。よくガン患者に「病気に負けないで!」とかいうシーンがあるけど、気持ちが弱くなって負けそうになる感覚が、少しわかるような気がします。もっと気を張っていないといけないんだけどね。ほとんどを寝て過ごしたり、なにも手に着かない感じでした。

そんなこんなで緊張の中入院。母が付き添ってくれましたが、「奥さんがいればこんな面倒なこと全部やってもらえるのにね!!」などとシニカルな指摘をされて、うまい返し方がわからないのでお嫁さん探しも真剣に取り組まないといけないなあ。

長くなるのでこの辺で。続きは初めての入院生活などを綴ろうかな。